五代友厚 五代秀堯(足跡篇)

五代友厚の父、五代秀堯ゆかりの地を、すでに掲載したことのある場所も含めて集めてみました。

五代秀堯は、文化12年(1815年)から文政2年(1819年)まで、26歳から30歳の5年間を中小姓として江戸に詰めていました。薩摩藩の江戸屋敷は7~9ヶ所あったといい、秀堯がどこに勤めていたかはわかりませんが、今回は港区芝の薩摩屋敷跡を訪ねた際の写真を紹介します。

NEC(日本電気株式会社)本社の一角にある中屋敷(居屋敷)跡の石碑です。薩摩藩の上屋敷は桜田にありましたが、この芝屋敷が江戸屋敷の中心的存在で、藩主はここに居住しました。篤姫がお輿入れのため鹿児島から江戸へ到着し、最初に住んだ場所としても知られます。

薩摩屋敷跡
薩摩屋敷跡 Old Site of Satsuma Residence

芝の屋敷は広大で2万坪以上ありました。NEC本社北側にある三井住友信託銀行、ホテル ザ セレスティン東京芝あたりが屋敷の中心であったということです。

薩摩屋敷跡
薩摩屋敷跡 Old Site of Satsuma Residence

同じく芝の海岸沿いには薩摩藩の抱屋敷がありました。今の田町駅近くです。ここで西郷隆盛と勝海舟が江戸城の開城について話し合い、無血開城が実現したわけです。
大きな丸い記念碑がありましたが、ビル建て替え工事のため、現在(2021年6月)この記念碑は一時的に見ることができないようです。

西郷南洲勝海舟会見之地
西郷南洲勝海舟会見之地 Meeting Place of Saihogo and Katsu
田町薩摩藩邸付近沿革案内
田町薩摩藩邸付近沿革案内 Historical Guide of Tamachi Satsuma Residence

五代秀堯は、江戸詰のあと文政2年(1819年)より京都伏見の御仮屋守となりました。文政8年までの7年間、36歳まで伏見に勤め、その後鹿児島に戻りました。友厚が誕生したのは、鹿児島へ戻ってから後のことです。

薩摩島津伏見屋敷跡
薩摩島津伏見屋敷跡 Old Site of Satsuma Residence in Fushimi

伏見屋敷のあった場所は、現在酒造会社となっています。伏見は酒どころとして有名です。薩摩藩の伏見屋敷は1500坪ほどあったようです。

松山酒造株式会社
松山酒造株式会社 Matsuyama Sake Brewery Co.

鹿児島市長田町にある五代友厚誕生地です。昔この辺りは城ケ谷と呼ばれていました。鹿児島城北側の谷筋にあたります。絵図によれば、五代邸は357坪ありました。

五代友厚誕生地
五代友厚誕生地 Godai Tomoatsu Birthplace

五代友厚は、長崎海軍伝習所へ派遣される22歳頃までここで過ごしました。秀堯はその4年ほど前に亡くなっています。家督は長男である徳夫(競太)が継ぎました。

五代友厚誕生地石碑
五代友厚誕生地石碑 Monument of Godai Tomoatsu’s Birthplace

鹿児島城下から仙巌園へ向かう途中に石橋記念公園があります。かつて甲突川にかかっていた5つの石橋のうち3つをここに移設しています。「甲突川の五石橋」は、調所広郷の財政改革が成功したことから、城下整備の一環として肥後の名石工岩永三五郎を招いて築造したものでした。

石橋記念公園総合案内図
石橋記念公園総合案内図 Ishibashi Memorial Park

移築された橋のひとつである高麗橋です。4連アーチの美しい石橋です。桜島も見えます。

高麗橋
高麗橋 Korai-bashi Bridge

なぜここが五代秀堯ゆかりの地であるかというと、かつてこの場所に永安橋という石橋が架かっていて、その名付け親が秀堯だったからです。いくつか候補があった中からこの名が選ばれたようです。永安橋は岩永三五郎が鹿児島で最初に手がけた石橋でした。写真は江戸時代末期のものとされる石造の水位計です。

水位計
水位計 Water Level Gauge

この地には重富島津家、今和泉島津家の下屋敷や船着場があったそうです。永安橋は天保13年(1842年)完成、3連アーチの石橋だったということです。

水位計について
水位計について About the Water Level Gauge

最後は五代家のお墓です。菩提寺は浄土宗不断光院ですが、秀堯が実際に埋葬されたのは真言宗宝珠院だったようです。平成元年(1989年)に不断光院からこの坂元墓地へ改葬されたということです。

五代家の墓
五代家の墓 Tom of the Godai Family

墓誌名に五代秀堯の名が見えます。亡くなったのは嘉永6年5月6日(1853年6月12日)、64歳でした。法名は義聖院諦山智順居士とあります。

五代家の墓 墓誌名
五代家の墓 Tom of the Godai Family

暮石の横に五代友厚の記念碑が置かれていました。友厚の墓はここではなく、大阪の阿倍野墓地にあります。

五代友厚記念碑
五代友厚記念碑 Monument of Godai Tomoatsu

<住所>
薩摩屋敷跡:東京都港区芝5丁目7
西郷南洲勝海舟会見之地:東京都港区芝5丁目33
薩摩島津伏見屋敷跡:京都市伏見区東堺町472(松山酒造 共同酒造)
五代友厚誕生地:鹿児島市長田町31
石橋記念公園:鹿児島市浜町1番
坂元墓地:鹿児島市坂元町19番

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