鹿児島の山川港からすぐの場所にある五人番所跡と鰻温泉を訪ねました。
I visited the old site of “Goninbansho” coast guard station and the hotspring of Unagi area.
五人番所跡の入口です。
国道269号を指宿から山川港へ向かう途中、JR指宿枕崎線の高架を通り過ぎてすぐのところに標識が立っています。ちなみに国道269号は、指宿から海上を渡って宮崎まで北上する道です。
坂道を下り海の方へ向かいます。木や草が生い茂っていますが、道はしっかりついています。
海が見えました。
このあたりは大渡海岸といいます。錦江湾に入ってくる船を見張るには絶好の場所です。異国船の侵入を防ぐため5人体制で見張りをしていたところから、五人番所と呼ばれたそうです。薩英戦争の際も、いち早くイギリス艦隊の通過を知らせたといいます。
沖に赤い灯台が見えます。五人番所と山川港のちょうど中間あたりに小さな島があり、そこに建てられた灯台です。
さらに向こうに見える白い灯台は、山川港の突端に建てられたものです。江戸時代、船の出入りを改めるための津口番所が置かれていた場所です。五人番所と津口番所には砲台が設置され、いざというときは挟み撃ちで攻撃できるようになっていました。
琉球との関係をあらわす記念碑がいくつか建てられていました。番所跡の石碑もあるようですが、このときは見つけられませんでした。
石垣は当時のままのものかもしれません。
五人番所には、樹齢300年といわれるアコウの巨樹が生えていましたが、平成16年の台風で倒れ、現在は指宿の濱崎太平次公園に移植されているということです。山川港には、濱崎太平次の船も当時多数繋留されていたはずです。
山川港を経由して、鰻温泉まで行きました。
西郷隆盛は幾度もこの地を訪れ、特に西南戦争前の明治7年にはひと月ほど滞在して湯治と狩猟の日々を過ごしたといいます。写真に写っている犬の案内板の「さわ」は、西郷隆盛が連れてきた猟犬のうちの一匹でしょう。
鰻池です。
池といっても巨大です。地図で見たところ、山川港の湾より大きいです。周囲約4キロ、水深は約60メートルもあるそうです。鰻池の西隣りには池田湖がありますが、こちらは周囲約15キロで九州最大の湖です。鰻池も池田湖も火山の噴火でできたカルデラ湖です。
この湯気が立った石積みは、高温の噴気を利用して食材を調理することができる「スメ」と呼ばれるかまどです。自治会が管理しているスメなので、一般の人でも利用できます。各家庭にも備えてあり、日常の煮炊きに利用されるほか、乾燥室や暖房として利用する場合もあるそうです。
卵、さつまいも、野菜類の調理可、時間のかかる食材は別のスメを利用するようにと書いてあります。
西郷隆盛が逗留していた福村市左衛門という方のお宅があった場所です。福村家には、滞在のお礼にと西郷が置いていったシャツが残されているそうです。佐賀の乱に敗れた江藤新平が訪ねてきたともあります。
記念碑と西郷隆盛の石像がありました。
ここの西郷さんもやはり犬を連れています。この鰻温泉にも10匹以上の犬を連れてきていたそうです。
どこを向いても白い噴気が立ち上っています。地球は生きていると感じられる場所です。
区営鰻温泉に立ち寄りました。たいへん泉質のよい硫黄泉です。
ここにもやはり西郷さんがいました。
<住所>
五人番所跡:指宿市十二町大渡
鰻温泉スメ広場:指宿市山川成川
西郷南洲翁逗留の家:指宿市山川成川
区営鰻温泉:指宿市山川成川6517