五代友厚 ベッドフォード視察(2)
Godai Tomoatsu, Visiting Bedford (2)

ブリタニア・アイアン・ワークスがジャパン・ウィークリー・メールに載せた新聞広告
ブリタニア・アイアン・ワークスの新聞広告 An Ad of the Britannia Iron Works in the newspaper

五代友厚らが訪れたブリタニア・アイアン・ワークス(The Britannia Iron Works)は、1859年ベッドフォードのケンプストン・ロード(Kempston Road)にジェームズとフレデリック・ハワード(James and Frederic Howard)兄弟により設立された。1870年から日本で発行されていた英字新聞ジャパン・ウィークリー・メール(The Japan Weekly Mail)にはブリタニア・アイアン・ワークスが製造する農機具の広告が載っているから、イギリス国内から世界に販路を広げようとしていたのだろう。

3時間ほど工場を見学した後、一行はブリタニア・アイアン・ワークスの創業者であり、当時ベッドフォード市長でもあったジェームズ・ハワード氏(Mr. James Howard)と共に午餐をとり、続いてクラパム(Clapham)にあるハワード家の農場で蒸気プラウ(すき)が実際に使われている様子を見たり、刈取機を操作した。かなりうまく操縦したようで、何でも素早く吸収する日本人に驚きを隠せない様子がタイムス紙の記事に表れている。

次に、クラパムから南西の方向にあるビデナム(Biddenham)に移動し、チャールズ・ハワード氏(Mr. Charles Howard)所有のショートホーン種の肉牛や羊を見た後、再度市長と夕食をとった。一行は様々なもてなしに感謝の意を伝えて9時過ぎの最終列車に乗り、ロンドンに到着したのは夜も更けた11時半ごろであった。

After staying in the Britannia Iron Works for about 3 hours, Godai and the Satsuma students took luncheon with the Mayor of Bedford Mr. James Howard.  Subsequently they visited Messrs. Howard’s farms at Clapham and Biddenham to see how the machines were actually used. They left for London by the last train and arrived at around 11:30pm.

<参考文献>
大久保利謙監修『新修森有禮全集第4巻』「畠山義成洋行日記抄」「英國新聞記事集」1994年
“The Japan Weekly Mail”, 20th July 1878

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