五代友厚 オルダリー・エッジ(足跡篇)
Godai Tomoatsu, Alderley Edge (Footprints)

五代友厚らが銅山を見学したオルダリー・エッジ(Alderley Edge)を訪ねました。鉱山探しは半ば諦めていましたが、ナショナル・トラスト(National Trust)のウォーキング・ツアー(Guided Walk around Alderley Edge)に参加したところ、約2時間のあいだに鉱山の説明もたっぷり含まれていました。遠くまで行った甲斐がありました。

I visited Alderley Edge where Godai Tomoatsu made an inspection of copper mines.

オルダリー・エッジまでバスを利用しました。マンチェスター(Manchester)からナショナル・トラストの集合場所に一番近いバス停、ネザー・オルダリー小学校(Nether Alderley Primary School)まで1時間15分ほどです。小さくて地味なバスなので、私は地元の送迎バスの類と思って1本見過ごしてしまいました。この系統は、ツアーのある日曜日は1時間に1本しかありませんので、次のバスまで1時間待ちです。オルダリー・エッジの町まで1時間余、そこから10分ぐらいでネザー・オルダリー小学校に着きます。このバスの終点はマクルズフィールド(Macclesfield)という、五代友厚が絹工場を見に行った町です。

オルダリー・エッジの鉱山
オルダリー・エッジの鉱山 Mines around Alderley Edge

ネザー・オルダリー小学校(Nether Alderley Primary School)前で降りると、目の前にブラッドフォード・レーン(Bradford Lane)というたいへん美しい石畳の道があります。この道をマクルズフィールド・ロード(Macclesfield Road)という大きな道に出るまでひたすら東に進みます。このあたりはどうもたいへんな高級住宅地のようで、ときおり高級車が通る以外歩いている人はほぼいません。牧草地が広がっていますが家畜を飼っているわけではなく、乗馬を楽しんでいるようです。40~50分歩いてやっと集合場所に着きました。

ブラッドフォード・レーン
ブラッドフォード・レーン Bradford Lane

まず、鉱石や地図などが置いてある小屋で、鉱石の種類や鉱山の歴史などの話を聞きます。オルダリー・エッジには昔からいくつもの鉱山がありましたが、現在稼働中のものはなく、鉱山のあった場所はナショナル・トラストが管理し、遊歩道などを整備しています。

オルダリー・エッジの鉱石
オルダリー・エッジの鉱石 Mineral Ores of Alderley Edge

最も古い銅山のひとつと言われるエンジン・バイン(Engine Vein)の坑口まで行きました。

エンジン・バイン
エンジン・バイン Engine Vein

今も青緑色の鉱脈の跡が残っています。

銅山の鉱脈
銅山の鉱脈 Copper Vein

案内してくれるのはナショナル・トラストのガイドの方です。この日の参加者は17〜18名で、ほとんど地元の人たちでした。毎日曜日開催されている人気ツアーのようです。鉱山以外にも、町の歴史や伝説の話など盛りだくさんでした。

ナショナル・トラストのガイド
ナショナル・トラスト・ツアー National Trust Guided Walk

途中、毛布をかぶって歌を唱う若者たちを見かけました。夏ですけど…。眼下に広がる景色がすばらしいです。

オルダリー・エッジの眺望
オルダリー・エッジの眺望 View from Alderley Edge

たくさんある銅山のうち、実際に五代友厚が見学したのがどこかはわかりませんが、五代らを招待した鉱山会社会長のプロクター氏と鉱長オズボーン氏はともにモトラム・セント・アンドリュー鉱山(Mottram St. Andrews Mines)に関係していたので、もしかするとそこだったかもしれません。モトラム・セント・アンドリューは、エンジン・バインより北側に位置しています。

オルダリー・エッジの町まで戻ります。

オルダリー・エッジ
オルダリー・エッジ Alderley Edge

オルダリー・エッジ駅からマンチェスター・ピカデリー駅まで、電車なら30〜40分です。三角の煉瓦づくりの屋根は、駅舎ができた当初からあるのではないかと思う古さです。

オルダリー・エッジ駅
オルダリー・エッジ駅 Alderley Edge Station
オルダリー・エッジ駅舎
オルダリー・エッジ駅舎 Alderley Edge Station Building

オルダリー・エッジは、鉄道が通ったことでマンチェスター通勤圏になり、高級住宅地として開発された経緯があります。今はマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)などに所属するサッカー選手も多く住んでいるそうです。

駅のすぐ裏手に、五代友厚らが招かれスピーチをしたというクイーンズ・ホテル(Queen’s Hotel)があります。現在はオフィス・ビルとなっています。

旧クイーンズ・ホテル
旧クイーンズ・ホテル ex Queen’s Hotel
旧クイーンズ・ホテル入口
旧クイーンズ・ホテル入口 The Entrance of ex Queen’s Hotel

この辺りはもともとチョーリー(Chorley)という地名でしたが、ランカシャー(Lancashire)にある同名のチョーリーと紛らわしいため、鉄道駅ができたのを機にオルダリー・エッジと呼ばれるようになりました。

クイーンズ・ホテル前の道を渡ったところに、1853年に建てられた聖フィリップ教会(St Philip’s Church)と1854年設立のオルダリー・エッジ小学校(Alderley Edge Community Primary School)があります。

聖フィリップ教会
聖フィリップ教会 St. Philip’s Church
オルダリー・エッジ小学校
オルダリー・エッジ小学校 Alderley Edge Primary School

<住所>
ナショナル・トラスト・オルダリー・エッジ(National Trust Alderley Edge):Macclesfield Road, Nether Alderley, Macclesfield, Cheshire, SK10 4UB
ネザー・オルダリー小学校(Nether Alderley Primary School):Bradford Lane, Nether Alderley, Macclesfield, SK10 4TR
元クイーンズ・ホテル(ex Queen’s Hotel):Queens Court, Wilmslow Road, Alderley Edge SK9 7RR
聖フィリップ教会(St Philip’s Church):The Vicarage/Church La, Alderley Edge SK9 7UZ
オルダリー・エッジ小学校(Alderley Edge Community Primary School):Church Lane, Alderley Edge SK9 7UZ

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