五代友厚 マクルズフィールド(2)
Godai Tomoatsu, Macclesfield (2)

ブロックルハーストの絹工場
ブロックルハーストの絹工場 Brocklehurst’s Silk Mills

五代友厚らがマクルズフィールド(Macclesfield)にあるジェイ・アンド・ティー・ブロックルハースト・アンド・サンズ(J. and T. Brocklehurst and Sons)の工場を訪れたのは1865年であったが、当時マクルズフィールドの絹産業は、実のところさまざまな要因により不況に陥っていた。ブロックルハースト家はその中でなんとか持ちこたえたものの、生活が成り立たなくなった多くの市民がアメリカやオーストラリアへ移住する道を選んだという。

マクルズフィールドでは、絹産業と関連しつつ教育機関が発達した。工場で働く子どもたちのため、仕事が唯一休みの日曜日に通えるよう日曜学校(Sunday School)がつくられた。ときに2千人以上の子どもが学んでいた。また、1852年には絹織物の発展に不可欠であるとしてデザイン学校(School of Design)が創設された。多分に慈善的な意味合いをもつ実業学校(Industrial School)も建てられ、これらの学校の設立と維持にブロックルハースト家は資金援助を惜しまなかった。

ロンドン&チャイナ・テレグラフ紙(The London & China Telegraph)によると、五代らは見学を終え、工場所有者たちの丁寧な案内に感謝の意を表したとある。所有者とはジョンとトーマス・ブロックルハーストのことかもしれないし、二人はその頃すでに70代後半であったから、もしかすると後継者たる別の誰かが対応したのかもしれない。出発前、五代らはオルダリー・エッジ(Alderley Edge)にある銅山の見学に招待された。後日訪れることを承諾し、マンチェスター(Manchester)への帰途についた。

Godai Tomoatsu, Niiro Hisanobu and Hori Takayuki examined Brocklehurst’s silk mills with great attention.  Before leaving for Manchester, they were invited to another inspection tour to the copper mines of Alderley Edge.

<参考文献>
Ed. Clarice Stella Davies, “A History of Macclesfield”, 1961
George Longden, “Life and Labour in Victorian Macclesfield”, 1986
The London & China Telegraph, 28 August 1865

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